伝説の投稿雑誌・ファンロードを振り返る!
つばさ:
あ~モヤモヤイライラする!
しょうた:
だからフケが落ちたらばっちぃから頭を掻きむしるのはやめてよ。何があったの?
てか前回もこの始まり方だったよね?
つばさ:
昔見た漫画のタイトルが思い出せん!
女の子4人組が中心の学園コメディで、学校でサバゲ―したり、アニメ版のハロプロがOPを歌ってる漫画。
キャラは……主人公4人組にはお嬢様がおったのと、女の子の写真を盗撮して売りつける眼鏡の男がおったのは覚えとるよ。
しょうた:
スクールランブル?
時東ぁみは正確にはハロプロではないけど……。
つばさ:
違う。スクランは覚えとるよ。
しょうた:
スクランじゃないなら、真田ジューイチ先生のヒャッコだな!
キャナァーリ倶楽部も正確にはハロプロではないけど……。
つばさ:
そう!ヒャッコっちゃ!
でも、真田ジューイチ先生っち誰?
ヒャッコの作者って、コーヒー (大分県) 改めカトウハルアキ先生やないん?
しょうた:
あー……。カトウハルアキ先生の今のペンネームが真田ジューイチなんよ。
あの人出世魚みたいにコロコロ名前変えるからつい間違えちゃったよ。
てかコーヒー (大分県) を知っているって……、貴様ローディストだな!ローディストに違いあるまい!
つばさ:
ドキドキビクーン!
知ったな!
しょうた:
知ったよ。
知ってしまったからには仕方ない。
今日はファンロードについて振り返ってみようか……。
しょうたのような若者は晩年しか知らないから、読者さんたちの期待するような内容を振り返れるかはわからないけど……。
イラスト・文章問わず誌面のほとんどを読者による投稿が占めていたことが特徴で、雑誌や漫画の巻末についている読者投稿ページを丸1冊本として仕上げてしまったような雑誌で、インターネット普及前はオタクの交流の場として重宝されていたそうです。
アニメ雑誌という括りにはなっていたものの内容は多岐にわたり、芸能や食べ物もネタに取り上げられていて「食べんこ倶楽部」「THEオススメ唱楽房」「映画さんぽ道」など独立コーナーもあったほどで、バラエティ豊かな内容。
読者はローディストと呼ばれ、VIPPERやニコ厨のように謎の連帯感と独自の文化を持っていました。
投稿のレベルは高く、パプワ君の柴田亜美先生やあずまんがのあずまきよひこ先生、最初の茶番に出てきたヒャッコのコーヒー改めカトウハルアキ改め真田ジューイチ先生など、多くの漫画家を輩出しました。
また、「ショタコン」「ショタ」など今では当たり前のオタク用語もファンロードが作り出しました。 (画像はショタのイメージ)
しかし、ユビキタス時代の到来によって、描いた絵は個人サイトで発表できるようになり、掲示板やSNSといったオタクの交流の場も誕生したため、オタクの社交場の役目をインターネットに奪われてしまいます。
こうして、平成22年10月に発売された投稿道F3号をもって休刊して、ファンロードはその歴史を終えます。
ファンロードは消えてしまいましたが、現代のオタク文化にも影響は残っているし、出身の漫画家も活躍中です。
なにより、平成を過ごしたオタク達の心におもひでとして刻まれていることでしょう。
(※)2012年に電子版の「ファンロード電子版」が一号だけ発行されたので、これをもって終わりとする説もある。
作品やジャンルなどのお題に沿ったイラストと文章で構成される。
しょうたの読んでいた末期のファンロードでは、ハルヒ、ヘタリア、銀魂がよく取り上げられていた。
文章の方は大事典の名の通り辞書風に、
原村和 (咲-saki-)
*コスプレもやぶさかではない巨乳美少女、って何つードリーム設定だよ(笑)。
美食倶楽部 (美味しんぼ)
ああっ、これは部活ではない!
「百万本の紅ショウガ伝説」
*谷川線瀬尾が昔書いたメモに残されていた謎の言葉。
兵庫県〇宮市
*成熟した住宅地には、萌えによる街おこしも不要だということを教えてくれた。
といった感じで、あいうえお順に並べられた単語とそれに対するコメントがまとめられていた。
ピンとこないお子達はバカ日本地図のchakuwikiを想像してもらうとわかりやすいけど、chakuwikiももうないんですね……。
そんな大百科には毎回北斗の拳のキャラクターの「アミバ」の項目が載るというお約束があった。
その昔北斗の拳特集をしていた頃にアミバが大百科の先頭にギリギリなれなかったことから、ローディストの間でアミバはシュミ特トップを狙っているという二次設定が定着。
北斗の拳以外のシュミ特にもネタとして使われるようになり、定番ネタになった。
北斗の拳を知らない世代の読者が増えた平成10年代以降は元ネタがわからなくなり、北斗の拳は知らないけどアミバは知っているというローディスとが増加。アミバはシュミ特トップを狙う目つきの悪い天才を自称するロン毛と認識されるようになった。
しょうたも平成少年だから本物のアミバがどんなやつなのか知らないや!
ゲゲボはファンロードでよく使われていた言葉で「呆れた」「しょうもない」という意味。
カモノハシはファンロードのマスコット。哺乳類なのに卵を産むゲテモノ感がファンロードの雰囲気に合うという理由でカモノハシがマスコットに選ばれたとのこと。
元々は読者が出したクイズに編集部がゲゲボな誤答をするコーナーだったが、そのうち読者自身が解答も書くようになった。
さらに時は流れてクイズ要素もなくなり、クイズとは名ばかりの長めの文章ネタを箇条書きしたコーナーになる。
平成12年にはこのコーナーをまとめた増刊号「爆笑ゲボボクイズ」が発行され、普通のクイズ本と間違えて買った人から苦情が来てしまった。
読者による食レポやレシピとともに、ゲゲボフード&ドリンクという
ゲゲボフードは全盛期には看板企画の一つだったらしいけど、しょうたの読んでいた末期にはほとんど載っていなかった。ゲゲボなんて書くと企業側から怒られが発生いかねないので、自主検閲でもかけて自重していたのかもしれない。
また、編集長のイニシャルビスケットのK氏による食レポ・餓鬼の門も食べんこ倶楽部内で連載されており、この関係でこのコーナーは隔号掲載だった。
を想像して、任意の漫画を他の漫画家の画風・作風で描いた漫画を投稿するコーナー。
パロディ作品のタイトルや簡単なあらすじを書いた文章ネタもあった。
しょうたの読んでいた末期のファンロードでは、久米田康治先生 (絶望先生) の〇〇、あずまきよひこ先生の〇〇、〇〇先生の銀魂、〇〇先生のヘタリアをよく見かけた。