しょうた日記 平成34年11月




34-11-22

おいだき怖い

拍手で、前回の日記に出てきたバランス釜って何って聞かれました。
小さすぎて「お湯が出る側が熱くて危険。」と言われて怯えていたこと以外覚えてないと書いたように、しょうたも実際よくわからないので調べてみたところ、バスタブに貯めた水を真横についている給湯器の中に循環させて温めるタイプのお風呂で、1960~70年代にかけての団地やマンションでよく使われていたみたいです。
へ~そんな仕組みだったんだ。

自動給湯装置が普及した今となっては、温度調整ができないので追い炊きすると熱湯が出てきたり、空炊きすると爆発してしまうという不便極まりないロストテクノロジーだけど、ガスバーナーで風呂釜を温めたり、それどころか五右衛門風呂さえ現役だった昭和の基準では文明と文化と富の象徴たりえる先進的な設備だったそうですよ。
……五右衛門風呂って江戸時代かよ。

さて、この温度調整が効かず追い炊きで熱湯が吹き出るというバランス釜の仕様のためしょうたはお湯の吹き出し口の危険性について厳しく教えられたわけですが、そのせいで自動給湯器つきの「普通のお風呂」のある家に住んでる今も、あれから20年以上経った今も、怖くて入浴中に追い炊き機能を使えないのです……。
21世紀のお風呂はIOT技術 (最近聞かない。) で制御されていて心地よい温度のお湯が出るというのに。
三つ子の魂百までってやつかな……?

はぁ、しょうたは一体いつまでバランス釜という20世紀の幻影に怯えてるんだろう?
せっかくの機会だから、克服してやる!!
ということで、ついに!
ついに!
意を決して入浴中に追い炊きボタンを押してみました! (わざわざ決心するようなことか……。)
人生初の、入浴中の追い炊きです!!
「ポチっとな。」

チョー気持ちいい!!!

湯舟のお湯よりほんのりあったかいぐらいの人間が一番気持ちよく感じるであろう水温のお湯が吹き出し口から足先、体の両側に広がり、全身を優しく包み込んでくれます
自分の家の風呂なのにどこかの温泉の湯舟に浸ってる感覚です。
お風呂の追い炊きがこんな気持ちいいものだとは思いませんでした。感動で鼻歌が止まりません。

しょうたの目には今まで怪物にしか見えていなかったけど、幸せの青い鳥ってこんなに近くにいたんだね。
こうやって身近な幸せに気付いて生きることができれば、人生はもっと楽しくなる……。と、道徳の教科書みたいな考えが一瞬だけ浮かんだけど、しょうたは聖人ではなので今まで気付かずに損してたことに腹が立ってきました

汚れや汗はお風呂で流せても、怒りと悔しさは流せません。

34-11-20

平成団地少年しょうた11歳

しょうたは成長途上の11歳児なので、乾ききったスポンジのように色々なことを日々吸収しています。
なので、触れたコンテンツの影響を受けがちです。
そこ!「主体性がないだけだろ。」とか「自分の軸がないんだね。」とか言うな!

最近はロリ百合とショタと失われた場所への思いを描いた「雨を告げる漂流団地」という9月に見た映画に感動して、団地がちょっとしたマイブームです。

同じ形状の建物が何個も並ぶ団地って共産圏っぽい独特の雰囲気でちょっとした非日常感があっていいじゃないですか。
あとはやっぱりノスタルジー
団地そのものではないけど、団地と同じフルシチョフカ様式の少し古いマンションに住んでる友達ンちに時々遊びに行ってたことを思い出すかな……。

団地は風通しや採光性、空間のゆとりなども考慮して建てられていて古さとバランス釜という致命的な欠点を除けば意外と住みやすいと聞いたことがあるので、リフォームの匠の力技で古さを克服したリノベ物件の団地、できればUR×MUJI物件に住んでみたいです。
もう一つの欠点のバランス釜も、しょうたが小さいころ住んでた家もそうだったから問題なし……いや、問題だな。
お湯が出る側が熱くて危険と言われて怯えてたこと以外記憶残ってないから操作方法わかんないし、たぶん年齢的に一人でお風呂に入ったこともないと思う!
……非バランス釜のリノベ物件を全力で探すか。
でも、そんな都合のいい物件はあまりないだろうし、あったとしてもかなりお値が張るような……。
URや公社団地は入居時の収入審査が厳しいのでそんな物件にはたぶん住めないね。
このまま団地暮らしは夢で終わってしまうのか……。

でも、よく考えてみたらしょうたのような身寄りのない独居老人になることが確定している非モテ少年少女は、持ち家がない限り将来は団地暮らし確定なので、たとえ条件に合う物件が見つからなくても団地に住まざるをえません。
だって、貧困天涯孤独老人は公営住宅しか行き場がないし、中流天涯孤独老人は保証人不要のUR住宅や公社住宅しか行き場がないのだから……。
もし35年後もこのサイトが続いていたら、しょうたは平成少年改め平成"団地"少年しょうたになっているでしょう。
平成少年のダンくんに対抗して、これが「平成の団地の居間だ!」と、WindowsXPのパソコン、プラズマテレビ、入れた小銭が消える貯金箱、フラワーキューブなどをうつした写真を上げているに違いありません。

って、その「平成少年ダン」がそろそろ終わりそうですね。
ヒロイン可愛かったし、時代考証がメチャクチャな平成の描写以外は面白かったからちょっと寂しいな……。
34-11-10

九州の田舎の家意識問題

九州は男尊女卑が強く残っているとよく言われるそうです。
父方が九州の田舎出身のしょうた的には「あるある。」と頷ける部分もあるけど、あれの根底にある考えは単純な男尊女卑ではなく「跡継ぎを産め。」「跡取りは大事だ。」っていう前近代的な家意識の発現だと思うっちゃね。

「九州の男尊女卑」話で鉄板の、親戚の集まりでこき使われる女性というのも跡取りたる男子を大切にするという発想がもと。レアケースだけど跡取りが女性の場合は男性と同じように優遇されます。 (しょうたも二家族ほど知ってる。)
女性の人間関係は深くは知らないけど、女同士でも父親嫁→長男嫁→その他嫁→嫁いで家を出た女性・独身女性みたいな力関係もあったりするんじゃないかな……。

そして、根底が跡継ぎ問題なので、尊重される側の男性であったとしても、結婚しないという選択を取ると「跡継ぎを残さない不届き者。」として情け容赦ない扱いを受けてしまいます。
しょうたもここ最近、結婚する気がないことについて父親はもちろん、独身貴族生活を謳歌しているおばさんからも「墓は誰が見るの?」「無縁仏になったらどうするんだ。」「永犬丸家を絶やしてはならない。」など叱責され、悩みの種になっています。
永犬丸家は時の上皇に姓を授かった名族ではあるものの、しょうたの家は嫡流とは何のかかわりも残ってないほど離れた傍系だし、守るような遺産もないです……。永犬丸氏の祖が建立した神社もあるのでご先祖様としょうたはそこに祀ってもらえば墓問題も解決可能!
跡継ぎの必要なんてどこにもないのにみんな意地になってて変だよね。

一方女性はというと、適齢期の間は近所のBBAや爺から「息子の嫁に欲しい。」と気持ち悪い言葉をかけられたりはするものの、結婚しないこと自体は「個人の選択」として受け入れられやすい気がします。婚期の子相手には「嫁に欲しい。」とセクハラまがいのことを言う第三者も婚期を過ぎた女性に対しては特に何も思わないし……。
昔を舞台にした連続ドラマ小説とかはもちろん、Web広告で出てきがちな現代の東京のOLが主人公の女性向け漫画でも、未婚の三十路女性が「結婚しろ。」と周囲から圧をかけられたり「行き遅れ。」と馬鹿にされる描写があったりしますが、正直この部分に関しては東京よりも九州の方が緩い気さえします。
男性親族からすると女性は「お家存続」に関係する存在ではないのでどうでもいいし、結婚生活の苦しさを知ってる女性親族からすると「結婚して家に縛られる存在にならなくてもいい。」という話なのでしょう。

九州における跡取り息子の扱いの良さ・家庭に入った女性の扱いの酷さと、男性への異常な結婚圧・女性への結婚圧の低さの両方は、都道府県別の女性未婚率上位と男性未婚率下位を九州が独占してることが証明していると思うっちゃね。

では、なぜ九州ではここまで家意識が無駄に強いのでしょうか。
東北とか四国みたいな田舎な地方のほうがこういった古い価値観が残っていそうなのに、全国的に見れば関東、関西、東海の次に栄えている地方の九州で根強く残っているのは不思議です。
その答えが、先日Twitterで話題になった地域比較に関するツイートにあった気がします。

数多くの中からどこを選ぶかという問題

これがポイントです。

九州人が就職や進学で実家を離れて向かう先の都会である福岡、広島。あと、この人は触れてなかったけど北九州なんかは地元からも近いので、正月盆法事と何かとつけて帰省しては親戚みんなで集まることができるのです。
なので、実家や親戚との交流は盛んにおこなわれ、下の世代に家意識がしっかりと受け継がれていきます
一方、東北起点だと遠く離れた東京に行くしかなく、気軽に帰省することもできないので実家や親戚との交流は途絶え、家意識も消えてしまう
九州で強い家意識が現代まで残り続けている原因は、九州が中途半端に都会なせいだと思うっちゃね。

ここ最近、九州新幹線全線開業で南九州への帰省がさらに簡単になったり、北九州の衰退が落ち着いたり熊本が発展して九州内での仕事が増えているので、時代に逆行して九州の家意識は今後さらに強くなって行くんじゃないでしょうか……。
34-11-02

紙の漫画は死んだ。でも、電子書籍は使いたくない。

20代以上の漫画読みは全員直面するであろう大きな問題があります。

紙の劣化。

環境に気を遣っていたとしても、20年ぐらい経ってくるとカビや日焼けが目立ってくるよね。
普通の人なら「古くてばっちいし、そんな昔の漫画もう読み返さないだろ。」って捨てるんだろうけど、しょうたみたいなオタクはいまだに年一回は昔の漫画も読み返してるし、捨てるなんて選択肢はない!
ライトなオタクなら「さすがに単行本も古くなってきたから捨てるけど、まだ読みたいな。」とお気に入りの作品は新装版や電子書籍で買い直すんだろうけど、しょうたみたいなでぃ~ぷなオタクには電子書籍という選択肢もない!
だって作者コメントやおまけページやカバー裏イラストが収録されてなかったりするんだもん……。
酷い時は削除の魔の手は本編にも及んで、時代にそぐわない表現があると一部のページがカットされたりするし。
電書じゃオリジナルの単行本を楽しむことはできません。
あと、マイナーすぎて電書化されてない作品もあったりするんだよね……。

しかし、このままボロボロになった昔の漫画本を放置していては、部屋の中でカビが繁殖してポスターなどのコレクションまで汚染されかねない。

どげんがせんといかんばい。

そう思って色々調べていたら、手持ちの漫画本を送ったらカバーなども含めて全ページをスキャンしてPDFファイルで保存してくれる便利な業者がいました!
値段はページ数関係なくカラーの場合一冊130円!
経年烈化がなかったり置き場不要という電書のメリットと、オリジナルを楽しめる単行本のメリットを両立させた、まさに漫画読みの夢が詰まったサービス!!
これにもっと早く会ってたら、看過できないレベルでボロボロになって泣きながらブックオフに持ってって買取拒否を食らったジャぱんやパトレイバーの単行本も捨てなくて済んだんだろうな~……。

さっそく使ってみました。
ちゃんと読める!し、電子書籍じゃないので、表紙裏のおまけイラストやカバー折り返しの作者の写真も完全に保存されてる!
本棚を埋めてた漫画がなくなったのは少し寂しいけど、末永く楽しめるし、漫画の劣化や置き場に困ってる人はPDF化したらいいと思うっちゃね