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平成の大人気バラエティ「はねるのトびら」を振り返る!

はねるのトびらって?

テレビがまだ国民的娯楽の地位を保っていた00年代後半、フジテレビ系水曜20時台に"ト"あるバラエティ番組が放送されていました。
全盛期の平均視聴率は18%、最高視聴率は24%を記録し、番組から新略語がうまれたり、ゲーム化されたり、企画ユニットのCDがオリコン5位をとったり、数々の伝説を残した人気番組です。
番組名は

はねるのトびら

通称「はねトび」

キングコング、ロバート、ドランクドラゴン、北陽、インパルスの若手芸人5組11人によるバラエティ番組です。

平成13年に深夜番組としてスタートし、人気コント「ポセイドン物語」のイベントに1万人以上が押し寄せたり、池袋の東京国際劇場でライブが行われるなど異例のヒットとなり、平成18年にはゴールデンに進出。
ゴールデン化を機に、コントの他にゲーム企画コーナーも取り入れてお子達も楽しめる内容になったことで、老若男女に受け入れられ国民的バラエティ番組となりました。

今日は、そんなはねトびのゴールデン時代の人気コーナーについて振り返ってみます。

オシャレ魔女アブandチェンジ

北陽の虻川美穂子扮するオシャレ魔女「アブ」が、ドッキリの形式で召喚されたゲストの女性芸能人としりとりに似たゲーム「おしゃレース」をして、勝った方が負けた方と指定した服を交換するゲーム。タイトルからわかるようにオシャレ魔女ラブandベリーのパロディである。
アブは大柄なので一度服を奪われると伸びて着れなくなるうえに、アブのファッションセンスは壊滅的に悪く変な服 (汗付き) を着せられてしまうので、

当時の女性芸能人たちから非常に恐れられていた。

ただでさえゲーム慣れしているうえにやたら語彙力の豊富なアブは強かったので、大抵はアブの圧勝でゲストは一方的に服を奪われていた。

アブがドヤ顔で持ち出す得体のしれないブランドや、服を奪われた芸能人へのアブの煽りが笑いどころだった。
アブ曰く交換した服はゲーム終了後も返さないとのこと。やらせの多いバラエティ番組界ではあるが、後述する「ほぼ100」のように「はねトび」は企画に対し本格志向だったし、人気企画だった「アブandチェンジ」が自然消滅したのはアブを恐れた女性芸能人たちが出演を嫌がってゲストがいなくなったためという噂もあるで、アブの言ったように本当に返していない可能性が高い。
ひどすぎるぅ

有名な和田アキ子の問題発言

「おせち〇こ」

は、このコーナーの途中で発せられた。
また、一度柳原可奈子にコーナーを乗っ取られ、ファッション誌の取材と偽って呼び出されたアブが奮発して買ったオシャレな服を台無しにされてしまったことがある。

ギリギリッス

ギリギリを試すことが大好きな昆虫・ギリギリッスに扮した塚地 (ツカギリス)、板倉 (イタギリス)、梶原 (カジギリス) の3人が順番に体を張って色々なことの限界を試す企画。掛け声は

「よ~いギリギリス!お願いします!」

場面転換の時にはフンコロガシ (鈴木) のショートネタが流れていた。
挑戦に失敗すると女郎グモ (北陽) に生でニンニクやニラを食べた後のくさ~い息を吐きかけられる罰ゲームを受けてしまう。女郎グモのお仕置きは一部の人に刺さったらしく、女郎グモ化なる新しい性癖を生んでしまい界隈も形成されているようだ。

これが"たようせい"か~。


進行役のニシギリス (プペル) が今回の挑戦の説明を行い、ツカギリスが「自分は太ったチビッコたちに勇気を与える役目がある」とお約束の決め台詞を言って挑戦するも即失敗。イタギリスとカジギリスが1回づつ成功した後でイタギリス失敗。そして体力のあるカジギリスが番組のセットの限界に挑むもギリギリのところで失敗して女郎グモの餌食に……というのがよくある流れ。

塚地がケガをしたため一時期堤下が代役でツツギリスとして登場していた。
メスにされたり、塚地復帰後はいとうに代わる女郎グモにされるなど、さんざんな扱いを受けていた。

短縮鉄道の夜

若者言葉についていけないオヤジサラリーマンに扮した鈴木、秋山、鈴木、塚地と、進行役の若手サラリーマン役の西野が短縮言葉を覚えて若者についていくため、新橋駅前の蒸気機関車に乗って短縮言葉を元の言葉に戻して答えるゲームに挑戦するコーナー。
同じ人が2回間違えてしまうと窓から銃口が伸びてきて顔に冷却ガスを噴射される罰ゲームを受けてしまう。結構痛いらしい。

プペルはレギュラーメンバー中唯一の若者役で進行役であるにもかかわらず、しょっちゅう間違えて罰ゲームを受けてゲームを止めたり、それどころか他のメンバーの誤答を喜んだりしていたので評判が悪かった。
一時期世間でも広がっていた短縮言葉「ガバショ!!」 (がんばりましょう) はこのコーナーで機関車に乗り込むときに塚地が言っていた言葉に由来する。

ニンテンドーDSでゲーム化もされた。ゲームと同じようにリズムに合わせて短縮言葉を元に戻すものだったが、音声認識技術が追いついていなかったため何か答えても正しく認識されずに誤答扱いされまともに遊ぶことができない糞ゲーであったという。

豚地クリニック

スタッフがみんなブタのように太っているクリニックを舞台に、院長 (塚地) が患者のことを

ヤセボリック症候群

と診断しては甘いものを食べさせようとするコント。患者役は各回がわりでゲストの芸能人が務める。
クリニックは医療用用具も薬も体力測定用具もみんなお菓子でできていて、おいしそう。

現代ならデブを馬鹿にしていと批判を浴びそうな内容だけど、当時の過剰なダイエットブームを風刺したもの。
このコントが始まった頃はメタボ検診が導入されて、世間ではデブ=悪のイメージが形成されていたのです……。

回転SUSHI

日本一箸の作法に厳しい回転寿司屋を舞台にしたゲーム企画。
ミッキーマウスマーチに合わせ、自分の席の前のベルトコンベアを流れるネタを箸で挟んで食べ、つかみ損ねたり落とした場合は男二人に椅子を回される罰ゲームを受ける。
令和の今見ると、回転寿司屋連続バイオテロ事件の元凶と糾弾されそうなゲームですね……。
初期はちゃんと寿司が流れていたが、ほどなく寿司と無関係の掴みにくそうなネタが流れるようになる。マスクメロンは度々登場し、難関ネタとして猛威を振るっていた

出演者は大将の西野以外、インド人のイタチャイ、中国人のアブチャン、ロシア人のアキバチョフ、アメリカ人のツカジョージ、メキシコ人のカジカラスと、それぞれ外国人に扮していた。ゲストも外国人に扮して登場することが多かった。

ほぼ100円ショップ

100円でないものも置いてある「ほぼ」100円ショップ

「ダイタイソー」

を舞台に、100円と100円でない商品が混ざって置いてある中から100円の商品だけを選んで買うゲーム。
他のコーナーの入れ替わりがあった中、このほぼ100円ショップはゴールデン化直後から番組末期まで一貫して放送され続けたので、「はねトび」というとこのコーナーを思い浮かべる人も多いだろう。

100円でない商品の中にはうん十万円する高額商品も混ざっており、選んでしまった場合は出演者が自腹で買わないといけなかった
高額商品を選んだときは、店員役の北陽が

「こちらの商品は……100円ではございません」

と決め台詞を言うのがお約束。

この手の番組ではやらせが疑われがちだが、後に塚地がはねトび放送時は100円ショップに行くことを禁止されていたと述べている。
ダイタイソーの様々な商品の中でも、芸術的価値のある高額商品からフジテレビ前で拾ったもの (0円) まであった石は、価格がよくわからないものとして恐れられていた。
名前や店内のセットのモデルはもちろんダイソーだが、100円に見えない100円商品は今や1000円近い高額商品も扱うほぼ100円ショップ化したダイソーが提供しており公認である。

おじいちゃんといっしょ

秋山扮するボケ気味の老人・秋山森乃進がお年寄りのみなさんが若者の流行についていけるよう、細川たかしの「北坂場」の替え歌でKAT-TUNのメンバーを紹介するコント。
森乃進は記憶もあやふやなのか、同じ話をよく繰り返したり、語尾に思うよぉ~とつけて話す。

毎回

田中の髪は短い坊主

と田中聖の髪型についていじるのと、中丸の扱いが適当なことがお約束だった。
公開 H36-01-07