2000年代の病院のおもいで
目次
ひなた:
なあ、しょうた。
最近OTCってニュースでよく聞くけど、あれってどういう意味なんだ?
しょうた:
大塚愛? (TDN表記でOTCAI)
となりどうしあなたとわたしさくらんぼ~♪もぉ一回!
ひなた:
違~~~~う!
お薬とかでよく聞くやつ。
物知りだと思って聞いたけど、しょうたも知らないか……。
しょうた:
ああ、そっちね!
OTC……あれは本当に革命的だったよ!アレグラを手に入れるのに半日かかっていたからね……。
医師会メ、許サヌ……!
ひなた:
お~い。
にわかに憤怒しはじめたけど、どうしたんだ?
しょうた:
OTCと聞くと、平成の耳鼻科のいや~~な記憶を呼び覚まされてね……。
せっかくだから、2000年代の病院について振り返ってみるよ。
平成の病院事情を知るのには必要だから、ひなたの要望にあったOTCについても軽く触れるよ!


アレグラのCM。薬局で買えるようになったのは本当に革命的なことでした。
花粉症の薬といえばドラッグストアでも売っていてTVCMでもお馴染みのアレグラですが、アレグラがOTC (一般医薬品。処方箋なしで買える) に指定されたのは平成24年のこと。それまでは、アレグラは耳鼻科に行かないと入手不可能だったため、3月から4月にかけての耳鼻科は、3時間待ちも当たり前の大混雑でした。
現代のような予約状況を確認できるシステムも普及していない2000年代ではどこか別の場所で時間をつぶすことも難しいので、大混雑の待合室では、椅子はすべて埋まって立って待つ人がいたり、待ちくたびれたお子達は泣き叫ぶ地獄絵図でした。
なお、診察が終わってからも、その後に20~30分に及ぶ薬局での処方待ちが控えています。
運悪くこの時期に風邪をひいてしまうと、アレグラ待ちの巻き添えで薬局でも長時間待たされてしまうのです。
花粉症以外の人にも悪影響は及ぶのです。一体どれだけの人がこんな無駄なことのために時間を奪われたことでしょうか?
なお、病院には相当の利益があったようで、当時の医師会長の鈴木邦彦は、眠気の副作用があって危険だとアレグラのOTC化に猛反発をしていました。 (→参考)
……処方箋が必要なせいでアレグラの巻き添えで薬を待たされる内科の患者が危険に晒されているよ。


同じ理由で、体調の悪い人に電波はよくない、精密機器が壊れるかもしれない、として病院の待合室でも携帯電話を操作することは認められていませんでした。 (内科や個人病院なら電源オンはOK。外科などでは電源オフのところも)
5Gの毒電波~的な怪しいスピリチュアルではなく、平成24年まで使用されていた2G通信に誤作動を起こす危険性があったための措置です。
携帯電話で時間をつぶす (といってもゲームぐらいしかできないけど) のもできなかったことと合わせると、花粉シーズンの耳鼻科の阿鼻叫喚ぶりをより感じていただけるのではないでしょうか?


イラスト:ちゃっぴー
歯医者さんの椅子の横についているうがい用のコップの扱い方も微妙に違いました。 現代のものは重量で判断しているのか一定の量まで水が注がれ、そこに達したら自動で止まるけれど、昔のものは注がれる量は一定だったため、中途半端に残った状態でコップを置くとドバドバと溢れていました。今でもついつい癖でコップの水を全部捨ててから置いてしまう人も多いのではないでしょうか?
あと、面白がって、わざと溢れさせていた人もいるでしょ?怒らないから正直に手を上げなさい。
平成の個人病院では、便所スリッパのようなビニール製の赤茶色のスリッパに履き替えさせられることが多かったです。
安っぽいし、なんかねちょねちょしているし、清潔感はまったくなかったものの、アルコールで拭き取りやすいので、気持ちは別として清潔なものではありました。
安っぽいし、なんかねちょねちょしているし、清潔感はまったくなかったものの、アルコールで拭き取りやすいので、気持ちは別として清潔なものではありました。
現代ではブラウン管テレビを探す方が難しいですが、まだブラウン管テレビが第一線で活躍していた2000年代半ばにあっても、既に病室では液晶テレビが普及していました。
場所をとらないためです。
初期の不安定な時期の安物なので、リモコンを押してた反応は悪いし、映りもカクカクしていたけど、そこは病院。
ベッドに合わせて画面の角度を変えることなどを考えれば、良い試みだったと思います。
公開 H37-12-19
場所をとらないためです。
初期の不安定な時期の安物なので、リモコンを押してた反応は悪いし、映りもカクカクしていたけど、そこは病院。
ベッドに合わせて画面の角度を変えることなどを考えれば、良い試みだったと思います。