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ゆっくり解説の起源

登場人物紹介

しょうた

平成の男子小学生
マイブームは「チチをもげ」の振りコピ

ひなた

ごくごく平均的な現代の小学生
マイブームは「パプリカ」の振りコピ

―目次―
■茶番―ゆっくりしていってね!―
やる夫スレ
オリキャラ茶番
学習漫画
吾輩は猫である
大鏡
ソクラテス学派
■茶番―おしまい―
茶番
ゆっくりしていってね!

しょうた
「どうも
しょうただぜ」(棒)

ひなた
「よ、オレひなた!
早速なんだけどその変な棒読みはどうしたんだ?」

しょうた
「魔理沙のゆっくりボイスをを意識してみたんだぜ。
このページではゆっくり解説の歴史を辿ろうと思っているから合わせてみたんだ。
ひなたもここは空気を読んでゆっくり霊夢っぽく話してほしいぜ。」(棒)

ひなた
「わかった。
でもゆっくりの歴史なんて語りつくされてるんじゃないの?
5chのアスキーアートが元で、MUGENのキャラになってsoftalkを喋るようになって……
ってやつ(棒)
私もゆっくり動画で見たことがあるよ」(棒)

しょうた
「よく勉強してるな。
でも今日解説するのはキャラとしての「ゆっくり」の歴史みたいなやりつくされたやつじゃなくて、ゆっくり「解説」という対話形式で物事を解説する行為の歴史についてだぜ
日本でも1000年、世界に目を向ければ2000年を越える長い歴史があるんだぜ」(棒)

ひなた
「え、あの茶番ってそんな昔からあるの!?」(棒)

しょうた
「そうだぜ。対話形式の解説は人類が文明を築き始めたころからあったんだぜ。
それじゃ、ゆっくり解説の起源を追ってみるぜ。」(棒)

やるお夫スレ
1

以下、名無しに代わりましてゆとりがお送りします

2022/01/22(土) 17:19:50.777 ID:5fg267kf0

ひなたはやる夫って知ってる?
2

以下、名無しに代わりましてゆとりがお送りします

2022/01/22(土) 17:20:22.524 ID:fusiana0

やる夫?やる……お?
なにそれ?
3

以下、名無しに代わりましてゆとりがお送りします

2022/01/22(土) 17:21:43.642 ID:5fg267kf0

昔VIPで流行ってたaaだよ
こんなやつ (崩れててスマソ)
      ____
      /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   だからニュー速でやるお!
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'´     /
4

以下、名無しに代わりましてゆとりがお送りします

2022/01/22(土) 17:23:00.532 ID:fusiana0

こいつか
見たことあるかも
これがゆっくり解説の茶番の先祖なの?
5

以下、名無しに代わりましてゆとりがお送りします

2022/01/22(土) 17:24:43.575 ID:5fg267kf0

うん

ゆっくり饅頭の普及前は学ぶ系やる夫スレとかブーンで学ぶ日本史とか2chでおなじみのAA(アスキーアート)を使って物語形式で色々な知識を解説することが流行っていたんだ
今のゆっくり解説みたいに先生役のやらない夫や長門有希からやる夫が話を聞く形式のものが中心だったけどやる夫が色々なことを体験するSSやルポ風のものもあったよ
6

以下、名無しに代わりましてゆとりがお送りします

2022/01/22(土) 17:25:15.726 ID:fusiana0

SSやルポってのは斬新だな
7

以下、名無しに代わりましてゆとりがお送りします

2022/01/22(土) 17:26:33.642 ID:5fg267kf0

AAスレの流れを汲んでいるからね
やる夫と学ぶスレが流行るきっかけは2007年にVIPに投稿された「刺身の上にタンポポのせる仕事の採用試験に受かったお!!!!!」というスレだけどそれ以前の2002年ころからAA関係の板ではAAを用いた対話形式の解説が行われていたらしいよ
6

以下、名無しに代わりましてゆとりがお送りします

2022/01/22(土) 17:28:43.284 ID:fusiana0

結構歴史があるんだ
9

以下、名無しに代わりましてゆとりがお送りします

2022/01/22(土) 17:28:26.295 ID:5fg267kf0

やる夫と学ぶシリーズの詳しい歴史や実際のスレはやる夫Wikiにたくさん載ってるから興味のあるって人は覗いてみたらいいよ
オリキャラ茶番

さっきはやる夫スレの歴史について触れたけど、2chでaaが発達する以前からネットには対話型コンテンツはあったんだよ。

どんなやつなんだろ?
そんな大昔のこと想像もつかないよ。

想像もつかないって……

今ひなたがしょうたと一緒にやってることがそれだよ……。
昔の個人サイトにありがちなオリキャラによる茶番劇。

確かにそうだな!。
序盤のゆっくり風茶番もいつもこのサイトでやってる茶番の延長で違和感なかったもんな。

でしょ?
現役のサイトだと、平成31年以前のまこなこなんかがこの形式で有名だね。
VNIでも浪路27歳さんなんかが採用していたよ。

てか思ったんだけど、オレ達バーチャルネットアイドルって存在もゆっくり解説に近いよな……。
対話型でないにせよ、架空のキャラが色々なことを解説するってのは饅頭と一緒じゃん。
読者向けの一人芝居だって打つしさ。

そういう見方もできるね。
実際葉鍵系って言ってゲームキャラのなりきりVNIもいたし、その中には晴子28歳さんみたいに対話形式で色々なことを説明する人もいたから東方がもう何年か早く流行ったら、あるいはVNIのブームがもう少し続いていたら東方系VNIがゆっくり解説っぽい茶番をやってたんじゃないかな?

学習漫画

しょうた
「ここから先は紙媒体だよ。ネットが発明されてない時代だからね。」

ひなた
「ネットがない時代……
だいぶ遡ってきたね。」

しょうた
「まだまだ序の口だよ。これから古代文明の時代まで遡って行くんだから!
ひなたは世界四大文明ってわかる?」

ひなた
「え~知らないよ
アトランティス、ムー、レムリア、瓜生島……
とか?」

しょうた
「おかるとちっくな偏った知識ばかり持ってるみたいだね……
図書室に置いてある学研のひみつシリーズでも読んで歴史について勉強したほうがいいよ……。」

ひなた
「そうかな~
まあ学習漫画ならキャラの掛け合いで説明していて分かりやすいし読んでみようかな……。

って、気づいたんだけど学習漫画も茶番形式で物事の解説をしてない!?
今の長い前振りだよね?」

しょうた
「大正解!

某ショタ絵師が漫画を描いているサバイバルシリーズみたいにストーリー仕立てで漫画っぽくなってる学習漫画も増えてるみたいだけど、昔の学習漫画ってゆっくり解説みたいな説明調の進行だったからね。
絵はおまけでストーリーもへったくれもなく、生徒役がわざとらしい質問をして先生or博士役が講釈を垂れ流して淡々と進行するスタイルで。」

ひなた
「確かに漫画として読むのはきついけど、ゆっくり解説の漫画版と思えばどうにか読めるな。」

吾輩は猫である

しょうた
「ひなたは1000円札に描かれている人がだれか知ってる?」

ひなた
「野口英世」

しょうた
「そこは夏目漱石って言ってほしかったな……。
その夏目漱石の代表作でありながら、ほとんどの人が冒頭とおぼれ死ぬところしか読んでいないであろう『吾輩は猫である』の中にも対話型の解説をしてる部分があるんだ。」

ひなた
「日本を代表する大文豪までそんなことやってんの……。」

しょうた
「吾輩は猫であるって、タイトルや書き出しのせいで猫がメインの物語だと勘違いされやすいけど、話の中心は吾輩の飼い主の苦沙弥先生とそれを取り巻く人々のとりとめのない話なんだ。
そのその会話の中で、登場人物の口を借りて漱石個人の思想についての論議がおこなわれたりしてるんだ。」

ひなた
「なんか難しそうな文学だと思ってたけど、こう聞くと意外ととっかりやすそうだね。」

しょうた
「まあ鬱で引きこもっていた漱石が俳句仲間から気分転換に小説でも書けば?と薦められて書いた駄文が仲間内で大ウケして雑誌連載され、勢いで書籍化されたのが吾輩は猫であるだからね。
今では日本文学の金字塔扱いされてるけど、当時の人にとってはTwitter文学やブログの怪文書みたいなものだったんじゃないかな?」

大鏡

しょうた
「次に紹介するのは日本最古の対話形式で書かれた本についてだよ。」

ひなた
「日本最古っていつぐらいだろう?
戦国時代ぐらい?」

しょうた
「平安時代だよ。
正確な年は不詳だけど、11世紀末と言われているね。」

ひなた
「すごい!1000年近く前だ!」

しょうた
「タイトルは大鏡。
若い侍が大宅世継(190)と夏山繁樹(180)という二人の老人から昔の出来事を聞くという体裁をとった歴史書なんだ。」

ひなた
「歴史ってゆっくり解説でも定番のジャンルだし、老人二人から昔のことを聞くってオレがいつもやってることと一緒だな。」

しょうた
「老人!?
しょうたもまだ11歳だよ!失礼な!」

ソクラテス学派

しょうた
「これでゆっくり解説の起源を辿る旅もこれで最後だよ。
時は紀元前5世紀のギリシャ……。」

ひなた
「紀元前5世紀……。
紀元前500年から400年ぐらいか。」

しょうた
「うん。
そのころアテネには偉そな顔した政治家から目の上ブルーなおばさんに至るまであらゆる人相手に『お前は本当に賢いのか?』とレスバトルをしかけることがライフワークのじーさんが住んでいたんだ。」

ひなた
「厄介そうな人だな……。
名前は何て言うの?」

しょうた
「ソクラテス」

ひなた
「どんな狂人かと思ったら有名な哲学者じゃないか!
オレも名前ぐらいは聞いたことあるぞ。
でもレスバごっこと対話型解説って何か関係あるの?」

しょうた
「ソクラテスは物事を理解するためには『対話』が重要だと考えていたんだ。
相手の知識に合わせて問を投げかけられたり、タイミングを選ぶことができたからね。
それで弟子のプラトンという人は、本を書くときに自分自身やソクラテスが色々な人と会話する形式を採用したんだ。」

ひなた
「たしかに問いかけがあると疑問点とかもわかりやすいもんな。
あれ……でもソクラテス本人はそういう形式で本を書かなかったの?」

しょうた
「書き言葉だと表面的な理解しかできないと言って本すら残さなかったらしい……。
ということで、ゆっくり解説の起源はプラトンだとしょうたは思うっちゃね。」

ひなた
「なるほど~」

茶番
おしまい

今日はゆっくり解説の起源について学んだけどどうだったかな?

まさか対話形式の解説に2000年を超える歴史があるとは思わなかったよ。
ソクラテスの言うように文章を羅列されるよりも対話のほうが物事を理解しやすいから、ゆっくり解説があんなに流行るのは必然なんだな。

うん。
時代に合わせて本→漫画→テキストサイト→電子掲示板→動画……と媒体が変わっただけで、それっぽいことは遥か昔から存在したんだ。

最近メタバースってよく聞くけど、ああいう新しい情報媒体が普及したらそれに合わせて新たなゆっくり解説っぽいものもできたりするんかな。

だろうね。
どういうものになるかはわからないけど、そこに文字がある限り人類は対話形式で物事を解説すると思うっちゃね。