平成の信じられないブラック校則

はじまり

ひなた:

オレンジレンジの「イケナイ太陽令和ver」見てるんだけど平成の高校生は楽しそうでいいな。
オレも平成の高校生になりたいな。絶対楽しいだろ!

しょうた:
それはどうかな?

ひなた:
お、いつもなら平成をゴリ押ししてくるしょうたにすれば珍しい反応だな。
それはお前が陰キャだったから楽しくなかっただけじゃないのか?

しょうた:
し、しつれいな……!
みじめな陰キャだったことは否定はしないけれど、平成24年の桜ノ宮高校バスケ部体罰自殺事件が問題になるまでは教師の鉄拳制裁も残っていたし、厳しい校則もたくさんあったし、あんな楽しい学校はフィクションにしか存在しないんだよ……。
じゃあ、今日は、令和では信じられない平成のブラック校則を紹介するよ!

携帯電話ノ持チ込ミハ禁止トスル

コロナを経て学校教育の電子化も進んで、今や学校からタブレットが支給されていますが、平成の頃は連絡用の携帯電話すら禁止にしている学校も多かったです。
人身事故で電車が止まった時も、警報が出て急遽家に帰ることになったとしても、公衆電話しか連絡手段はないのです。
……といっても、不真面目な生徒や、遠距離の通学で連絡手段がないと詰む子は、学校に携帯電話を隠し持ってくるわけですが、電源オフにしても緊急地震速報には反応して没収される危険性はあるので、スマホの場合は脱獄して調整したり、ガラケーの場合は校内ではバッテリーパックを携帯電話から抜いたり、色々と対策していたようです。

警報ガ1ツナラ登校セヨ

(イラスト:ちゃっぴー)

改善されてきたとはいえ、昭和が微妙に残っていた平成中期ぐらいまでは、まだ今より休校の基準が厳しくて警報が1個出たぐらいでは学校はありました
雨ぐらいなら耐えろ、泥に浸かってでも学校まで来いという脳筋です。

警報でも「学校がある」だけならまだいいものの、悲惨なのが警報がさらに増えて途中で打ち切りになった時。
警報いっぱい=かなり危険な状況、なので電車のダイヤは乱れまくり、そこに一斉下校になった生徒が集中して徐行運転する満員電車に閉じ込められることになるのです。
徐行運転の満員電車でも乗れるだけマシで、一番ひどいのが電車は既に止まっていたパターン。こうなってしまうと、かろうじて動いているルートを探して迂回するか、親を呼ぶしか方法はありませんでした。

携帯電話禁止校則と重ね掛けされている学校の真面目な子はどう対応していたんだ……?

男子タルモノ防寒具着ルベカラズ

平成の男子は、霜が降りようが雪が降ろうが、いくら寒くても制服の上にコートやダウンを羽織ることは禁止されていました。
男なら死ねい的な昭和の脳筋?
いえいえ、この校則にはちゃんと抜け道がありました。
平成の学ランにはカラーという首元を隠すパーツが襟についていたので、中にトレーナーやダウンを着れたのです!
それを意図しているのか、襟から見えなければ学ランの中に私服を着てもよいと校則で規定している学校も多くあり公認されていました。
しかし、カラーは首が苦しいとデブからの評判が悪く平成後期に廃止が進んで令和に入って絶滅し、同じくデブに嫌がられていた襟のホックも緩い形のものへの置き換えが進んで首元を隠せなくなったため、私服OKは規定にはあっても適用不可能なトマソン校則と化し、平成後期の男子は凍えることになったのでした。
厳しい校則をなくしたがために、代わりに新たなブラック校則が生み出されてしまったという珍しい事例。

靴下ハ白二限ル

みんなが同じ格好をしていないと、格差が強調されたりいじめにつながってしまうということで、靴下や靴も校則で細かく指定している学校がありました。
制服もそういう意図のあるものだし、今の学生も見てる感じには無地に近い靴下なのでここまでなら理解できる話ですが、

白に指定する。

黒もダメで、なぜかダサい白限定。

(画像引用元:ELLE GIRL)

かつてJKの間でルーズソックスが大流行しましたが、あれが白いのもローファーと合わせて学校に履いていくことを意図したためだそうです。
平成前~中期頃の厳しい校則内でできた精一杯のおしゃれがルーズソックスだったのです。
まあ、学校側はルーズソックスを名指しで禁止してそんな抜け穴はふさいでいくのですが……。

下着モ白二限ル

(画像引用元:行け!南国アイスホッケー部)

白規定は靴下に限らず、下着にも及ぶ!
風紀検査で女子のスカートをめくってパンツを覗いたり、修学旅行の荷物チェックで色付きのブラジャーを没収する教師もいたとか……。

職権乱用によるセクハラだよ!

性癖かな?

男子ハ丸刈リトスル

ツーブロック禁止など生ぬるい!
田舎の方では平成になっても男子は丸刈りという戦時中のような習慣が続けられていました
九州のローカルニュースで丸刈り校則を見てしょうたも田舎には引っ越してハゲたくないと怯えたものです。
多くの地域では平成10年代のうちに廃止されましたが、鹿児島の離島や岩手の山中といった文明から隔絶された秘境では、なんと平成の終わりまで続いていたそうです。

「らんま1/2」で九能校長が生徒を坊主にしようと暴れていましたが、あれはギャグ漫画の住人の奇行ではなく、作品が描かれた平成前期では多数の読者が本当に被害を受けていたであろう現実的な脅威だったのです。
九能校長はたくさん実在した……。

(画像引用元:らんま1/2)

なお、男女平等に、とジェンダー意識の強い学校は女子にもおかっぱを強制していたそうですが、こちらは男子が髪を生やせるようになったあともトマソン校則として残り続け、2020年代に入っても存続したそうです。
悲しい出来事でしたね。

【おまけ】本屋二入ルベカラズ

これは、しょうたが知り合いから聞いた特定の学校の話なので平成全体の話として一般化はできないのですが、だいぶイカれた校則があったので紹介させてもらいます。
普通教師は生徒に読書を推奨するものですが、その学校では行ってはいけない場所リストに学区内の本屋が名指しで入れられていたというのです。
これは

書かず・読まず・持ち込まずの『非書く三原則』ZOY!

思考能力を奪って管理しやすくする愚民化政策ZOY!

一応理由はあって、建物内にゲームセンターとレンタルビデオが併設されていたためとのこと。
先生によってはバカらしい校則は気にせずその本屋で本を買うことを薦めてきたものの、本を買いに来ただけなのに店で厳しい先生に出くわすと注意されてしまうこともあったとか。

本屋エリアはOK、ゲーセンエリアは禁止で対応すればいいのに、店全体に規制をかける柔軟性のなさがお役所仕事ここに極まれりって感じの迷校則です。
公開 H37-12-06