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【は~ん】アイスホッケーをやらないアイスホッケー漫画、南国アイスホッケー部

警告!
このページにはどぎつい下ネタがあります。
12歳以下のお子様と苦手な人はそっ閉じしてください。
「さよなら絶望先生」「かくしごと」の作者として知られ、先月少年サンデーで「シブヤニアファミリー」の連載を開始した漫画家・久米田康治。
近年は大瀧詠一のアルバムのジャケットを手掛けたり、少子化問題に関する政府刊行の冊子の挿絵を手掛けたり、文化人枠に片足を突っ込みつつありますが、若き日は現在の作風からは信じられないようなはっちゃけた作品を描いていました。

そのタイトルは……

行け!南国アイスホッケー部


カナダからの帰国子女・蘭堂月斗が南国の高校の弱小アイスホッケー部を名門校へと導く王道のスポーツ漫画……

として始まったものの、たったの4巻でアイスホッケーをやらなくなり、その後19巻にわたって現代どころかワイド版が出た2000年代の出版コードでも引っかかるレベルの下ネタ北崎拓いじりを続けた久米田先生最大のヒット作です。

そんなわけで今回は「行け!南国アイスホッケー部」の紹介です。

初期から下ネタは多かった

一応4巻まではアイスホッケーをやっていたので誤解されがちですが、真面目にアイスホッケーをプレーしてたのは短期集中連載だった序盤の数話のみで、早くも2巻あたりから「アイスホッケー漫画」から「アイスホッケーを題材にした下ネタ漫画」への脱線が始まります。

たとえば……

ラフプレーの場で下半身関係の罵り合いが勃発したり……


リンクにゲロをぶちまけるために酒を飲んだ対戦相手が酔っぱらってチ●コを吸おうと暴れまわったり……


アイスホッケーをやった最後の回、「秘技!湯けむりシュートの巻」では対戦相手の気をそらすためにサブヒロインのマイコが脱がされ、それを見たアイスホッケー場の管理人の勃起したチ●コがリンクの解凍スイッチを押してしまい九州大会が中止になるという結末を迎えました。



唐突に終わった九州大会編を最後に月斗たちはアイスホッケーを放り出し、九金のタヌキ (赤面の者) と対決したり、家出したチンコを探したり、オナニーで雪崩を発生させ村を破壊したり……と下ネタに明け暮れるようになります。

南国名物 口に出せないような名前の一発キャラ

アイスホッケーをやらなくなってから南国の下ネタはさらにエスカレートし、シチュエーションを変えながら一発キャラと下ネタの応酬を行うというのがお決まりの話の展開になります。

そしてその一発キャラも下ネタでまみれており、口に出すのが憚れるような名前モザイクをかけた方がいいような外見だったりします。
その中のごく一部を紹介します。

山本おけつ


浦鉄の小鉄の名前の由来にもなったプロレスラー、山本小鉄氏のパロディキャラ。
名前の通り頭が尻のように割れていて、割れ目からは尻毛のような毛がボーボーと生えている。汚い。

サイボーグズリズリナイン


サイキックのサイボーグ。
月斗の勃起したチ●コが机を倒すことを予言した。
テーマソングは「赤いマラーなえさせて♪」

ホーモ・アローン


家で留守番しているホモ。
家に様々な仕掛けを施しており、バイトで宅配便を届けに来た月斗を襲おうとした。
発禁になることを恐れて「ま●こ」とボケることを自制したものの、不適切な表現が多かったためま●こ関係なくこの回はワイド版では未収録になった。

仮性獣


月斗の右手に寄生した宇宙生物。
全人類を仮性包茎にすることを企て、男を見つけるとチ●コを引っ張る。
そあらの制裁と月斗の説得で、日本より包茎率が低いアメリカへ旅立つ。

オナルド・ダビンチ


ダビデ像の包茎を治すために16世紀のイタリアへ旅立った月斗たちが出会った芸術家。代表作はオナリ座 (スケベ椅子)。
免ズリ符を買わずにセンズリをしたことを叱られたことによって、モロチン・ルターの性教改革を引き起こす。

あんま大王


月斗の悪行を成敗した地獄の大王。
電気あんまで月斗の下を抜いてしまった。

シーモ・ネーター1号

月斗抹殺のために未来からやってきたアンドロイド。正式名称はUSO800。
「溺れる者はマラをもつかむ」など下ネタことわざをよく言う。
人気が高く準レギュラー化し、久米田先生のアシスタントを経て月斗たちの仲間になった。
ヒップホッパーのSEAMO氏の以前の芸名「シーモネーター」はこのキャラが由来。

亀頭雁男


名前のごとく亀頭のような恥ずかしい髪型をしている古典教師。月斗のチンコを掴んだショックで退職した。
彼も人気が高かったのか準レギュラー化。
月斗たちに復讐を仕掛け、オチでやり返されて看板の股間の位置を頭が突き刺さるのがお約束。

久米田先生の黒歴史、裸で写った著者近影

全編下ネタで埋め尽くされた南国ですが、その下ネタは作品本編にとどまらず著者近影にも及びました。

久米田先生自身たまにネタにしているのでファンの方なら知っていると思いますが、なんと自身の裸を著者近影として載せたのです。

ということで久米田先生のヌードの中から面白いものを見てみましょう。

4巻


先述のSEAMO氏はこの写真の久米田先生と同じような恰好で歌うパフォーマンスをやっていたそう。
南国の大ファンだったんだろうな……。

7巻


漫画家のみなさまと温泉に行った時に撮った一枚。
この時某有名作家に「久米田くんて、描くもの下品だけどチンコは上品だね。」とコメントされたらしい。

17巻


ノーコメント

21巻


高橋留美子大先生に貰ったメキシコ土産を身に付ける久米田先生。
一緒に歌舞伎を見に行くなどお二人の仲はいい模様。

おしまい

現在の久米田先生の作品と比べると、絵柄・内容共に同じ作者が描いたものとは思えないような「南国アイスホッケー部」ですが、今に繋がる部分も結構見られます。

コマをぶち抜く立ち絵や左下に行くほど小さくなっていくコマなど、久米田作品で特徴的なコマ割りは既に確立されています。


「○○として一生十字架を背負ってしまう」という久米田ファンにはお馴染みの決めセリフの初出も南国3巻です。
ちなみに記念すべき最初に背負いそうになった十字架は、電車のドアにチ●コが挟まれ、物理的な意味で抜こうとしたらあっちの意味でも抜きそうになる苦しみを叫んだもの。


このように作風も絵柄も二転三転した久米田先生ですが、その原点はやはり連載1作目の南国アイスホッケー部にあるのです。

古すぎて時事ネタやパロディの元ネタがわからない部分があったり、下ネタが多すぎて人を選ぶ漫画ではありますが、久米田先生の原点として、そして「かくしごと」の元ネタになった実体験が詰まった作品として、ファンの方には一度は読んでほしい作品です。