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【南国アイスホッケー部】天からの使者!三択老師の活躍
「絶望先生」「かくしごと」の久米田康治先生の初連載作であり黒歴史でもある「行け!南国アイスホッケー部」

この作品には一年に一度クリスマスシーズンになると必ず登場する、こち亀でいうところの日暮的な名物キャラがいました。

その名も三択老師


サンタクロースの格好をしてクリスマスにかこつけていちゃつくカップルに対して

「①別れる
②ケンカする
③心中する」

など3つの選択肢を与え、正解(カップルが不幸になる選択肢)を選ばなかった連中には背中に背負ったロケットランチャーからバズーカ砲をお見舞いし、逆にクリスマスを寂しく過ごしている者たちには店の経営権をプレゼントするなど救いの手を差し伸べる聖人です。
それでは各年のクリスマスの老師の活躍を紹介していきたいと思います。

1992年 老師初登場~「聖者が街にやってくる」の巻~
記念すべき老師の初登場回です。


この回ではまだ老師のトレードマークのロケットランチャーが登場していないので街を歩くカップルに手りゅう弾を投げつけて攻撃。

街を歩くカップルを成敗し尽くした老師はフランス料理店に移動。
生エスカルゴと称して大量の生きたカタツムリを出してカップルを恐怖のどん底に突き落とす一方で、イブだというのに働いている若いアルバイトのウエイターにレストランの経営権を譲り渡すという見事な大岡裁きを見せつけます。

そうこうして成敗を続けていると一人寂しくクリスマスを過ごす月斗(主人公)を発見。

月斗「ちくしょうXマスなんて大嫌いだーっ!!」
老師「全て見させてもらった。」
老師「君のような孤独な少年を放っておけないのじゃ。」

こうして老師は月斗を仲間に加え、私設軍隊の潜水艦や戦車を用いて出動させてカップルに成敗を加え、老師と月斗は幸せ者を根絶やしにすることを誓いあいます。



しかし、その場に月斗の彼女 (?) のそあらがチキンとケーキを持って登場。
老師は仲間と思っていた月斗の裏切りに激怒し、「戦場のメリークリスマス」と言って全部隊に月斗をぶち殺すように命令するのでした。
1993年 三択老師襲名~「三択老師RETURNS」の巻~

扉絵からバズーカをぶっぱして豪快に登場する老師。
しかし、寄る年波には勝てず成敗を続けているうちに身体を壊してしまいます。クリスマスのカップルを根絶やしにするのは非常に過酷な仕事なのです。

そこで老師は月斗を二代目三択老師「三択漏子」に任命し、仲間を増やしながら幸せ者に成敗を加えていきます。

なんとこの回では老師のテーマソング「年末一人旅」も登場!メロディーはついていないので、好きな曲に合わせてみんなで歌おう!


「年末一人旅」 作詞・久米田康治
1.
一人の
幸せの影に
十人の不幸せ、
いつもどこかで 誰かが泣いている、
幸せほしいと 泣いている――
俺がやらねば
誰がやる!!
人の神経
逆なでするやつら、
ほっておくのは
世のためならず!!
おまえら
みんな死んでしまえ!!
幸せ者は
ブチ殺せ
地獄の炎に
焼かれてしまえ!

2.
一組の
カップルの影に
十組の ティッシュあり。
いつもどこかで 誰かが抜いている、
むなしさかかえて
抜いている!!
俺がやらねば
誰がやる!!
人のちんちん
逆なでするやつら、
ほっておくのは
世のためならず!!
おまえら
みんな死んでしまえ!!
地獄の炎に
焼かれてしまえ!

(※){おまえら
みんな死んでしまえ!!
地獄の炎に
焼かれてしまえ!}

※くりかえし
ちなみに南国ではよくあることですが、この歌の2番は出版コードに引っかかってしまったのかワイド版ではなかったことにされたそうです。

三択老師には、この曲の他に「お願い三択老師」という「家に帰ると妻が死んだふり~」で知られるボカロPのほぼ日Pが作った非公式のテーマソングもあり、こちらは老師が活躍した90年代のJpopをほのかに感じる哀愁の漂うメロディーが素敵な名曲に仕上がっています。
この回で復活を果たしたのも読者から「老師に励まされた。」というハガキが殺到したおかげだというし、老師が愛されたキャラクターだったことがわかります。
1994年 三択老師引退!?~「メリー三択老師」の巻~
1994年のクリスマスイブではカップルが増長し、男が一人でいることが犯罪となっていました。
なんて恐ろしい世の中だ!

例によって一人寂しくクリスマスを過ごしていた月斗は助けを求めに老師の屋敷に行くと……


老師はギャルに囲まれて楽しそうに過ごしています。

月斗「いちゃつくカップルを成敗するのが、あんたの仕事だろ!?」
老師「人の幸せをねたむのはよくないな。」

あ、自覚あったんだ……。
老師ひとりいないだけで一人もんの人権が失われるという事実に老師の影響力の強さを感じてしまいます。

老師が頼りにならないと悟った月斗は、一人もん狩りから逃れてきた男たちとともにレジスタンスを立ち上げ、クリスマスイブを一人でこっそり楽しむ性なる夜コスリマスインブ」へ変えるための革命を決意します。
さすがは老師から「三択漏子」として直々に後継者を言い渡された男です。


レジスタンスはクリスマスの象徴のクリスマスツリーを性なる木「コスリマス・ヅリー」に変えたり、フライドチキンをプライドをもって痴漢する「プライドチカン」に変えたりして聖夜を破壊しようと暗躍しますが、多勢に無勢ですぐにカップルたちに包囲されて袋のネズミになってしまいます。

絶体絶命と思われたその時、レジスタンスを追い詰めたカップルたちに突然バズーカが降り注ぎます。
本彼の所へ行くためにギャルに帰られた老師が、再び「三択老師」としてカップルたちに成敗を下したのです。
こうして老師の復帰でカップルたちは火の海になり、クリスマスには再び平和が戻りました。

1995年 大して活躍せず……~「サンタはいる!!」の巻~
三択老師ネタもマンネリ化したのか、95年のクリスマス回は月斗とそあらが父親が蒸発した姉弟のためにサンタに扮してプレゼントをするという人情&ラブコメ回でした。

だがしかし「行け!南国アイスホッケー部」はあくまでもギャグ漫画。

いい雰囲気になった月斗とそあらをこのままで終わらせないために、老師はバズーカをプレゼントし、カップル狩りのため月斗を連れ去るのでした。
2005年 10年越しの復活!~「十一月四日に生まれてすいません」
この回のみ南国ではなくさよなら絶望先生。
なんと10年の時を経て背景のチョイ役ながら老師が復活!!

クリスマスツリーのイメージを低下させるためにみんなが嫌なものを吊るしてできた「苦しみますツリー」に望や絶望少女とともにロケットランチャーを携えたサンタクロース……そう、ぼくらの三択老師の姿が!!
話の流れ的に木津千里の犯行か?

街を火の海にしたり三択老師は軍隊並の戦力を持っているけど、それを易々と木に括り付けるとはやはり木津千里さんは強い。
そあらも95年のクリスマスにバズーカの直撃を受けても無傷だったし、最強久米田キャラはそあら、木津千里、そして名取羽美の誰になるんだろう?
久米田キャラ強さ議論、気になりませんか?