とある個人サイトの道の駅紹介のページにある「観光案内の映像も流されている観光情報コーナー」という写真の映像が流れているモニターの下にコンピュータの画面らしきものを確認できますがこんな感じのやつです……。
こういった公共施設のコンピュータは
- マウスの反応が異常に悪い。
- なぜかブラウザがネットスケープ。
- ブラウン管に画面が焼け付いている。
- 二~三基中一基は常に調整中になっている驚異の故障率。
- マウスだけ出ていてキーボードはついていない。
- なので自治体や観光情報のページしか見れない。
一体あれは何の目的で設置されたものだったのでしょうか?
なぜネスケなどよくわからない仕様だったのでしょうか?
そしてなぜキーボードがなかったのでしょうか?
設置理由に関する仮説
2001年に「すべての国民がITのメリットを享受できる社会」などを目標とした「e-Japan戦略」が発表されましたがその一つに「行政のデジタル化」がありました。それを見たお役人たちが「パソコンを置けばIT化できる。」と勘違いしてパソコンを色々な場所に設置してみたのかもしれません。
低スペックさに関する仮説
公共施設のネット接続できるコンピュータは、ブラウザがネスケ、画面がブラウン管など00年代にしてもやや時代遅れ感のある仕様でした。時期的にXPを入れて不要になったWindows95あたりを捨てるにはMOTTAINAIと設置したのかもしれません。
同じように多くの人が触る図書館の蔵書検索用などのパソコンと比べても異様に高い故障率もボロさゆえのことだったのかもしれません。
壁に埋まっていた理由
昔のデスクトップPCはディスプレイがブラウン管だったのでかなりの重量・大きさがありました。これを普通に机に置くためにはそれなりに頑丈な机や広い設置スペースが必要だったから、これらの面倒を避けるために壁に埋め込んだのかもしれません。
キーボードがなかった理由に関する仮説
ディレクトリ検索 (死語) でキーボードが必要なかったからでしょう。しかしここで新たな疑問が出てきます。
なぜブロードバンド時代になってもそんな古代技術を使い続けていたのでしょうか?
それは当時のフィルタリング技術がまだ未熟で変なサイトを防ぎきれなかったことや、そもそも公務員たちがフィルタリングソフトの存在すら認知していなかったせいなのかもしれません。
ディレクトリ型サーチエンジンや自治体のポータルサイト起点なら変なサイトに飛ぶ可能性はほとんどないので……。
あれから十数年、いつの間にか公共施設で利用者に開放されているコンピュータは通常のデスクトップタイプのものに置き換えられ、壁に空いた設置用の穴もパネルなどで埋められて変なコンピュータが存在した痕跡すら消えかかっています。
00年代のわずかな時期に人知れず普及し、人知れず消えていった公共施設の壁埋めコンピューター。
本当にあれはなんだったんだろう……?