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しょうた旅―夜の小倉徘徊編

小倉生まれで 玄海育ち
口も荒いが 気も荒い
無法一代 涙も捨てて
度胸千両で 生きる身の
男一代 無法松

~古賀政男「無法松の一生」より~

小倉駅前ペデストリアンデッキで蘇るトラウマ
小倉駅前
小倉駅前
ただ今の時刻は午後7時を回っていますが、北九州市は小倉に到着しました!
DQN率が妙に高いとはいえ、日曜の夜だというのに人通りが多いですね。100万都市の駅前に相応しい賑わいです。
本当はもう94万だけど……。

いや、写真の後ろに歩いてる人全然いないじゃん……だって?
DQNに「俺の写真撮ったな?」って絡まれそうで怖かったから、わざわざ人の波が途切れるタイミングを待って撮ったんだよ!
しょうたには昔友達とあるあるCity (小倉駅前にあるオタクビル) に行った帰りにまさにこの写真を撮った場所である小倉駅前のペデストリアンデッキでDQNに恐喝されたトラウマもあるので!
まあDQNなりの優しさなのか千円札一枚しか取らなかったし、しょうたは即座に赤の他人の振りをしたので1円も取られずに済んだのですが……。
うん、クズです。
しょうたはクズ、クズ、クズ、くるまじゃないよ、クズ、クズ、クズ……。

で、こんな時間に北九州に何をしに来たかというと……
夜しかやってないラーメンの名店があるのでそこのラーメンを食べるのと、再開発で建て替えが決まった旦過市場を見にきました。
そんなわけで、しょうた旅「夜の小倉徘徊編」スタート!!
小倉って意外と人通り多いな~って
お目当ての店が開くまでしばらく時間があるので、暇つぶしに小倉駅周辺をあてもなく散歩することにします。

ペデストリアンデッキで接続されているそごう改め玉屋改め伊勢丹改めコレット改めセントシティ懐かしいですね。
しょうたのおばあちゃんの田舎は福岡でも瀬戸内側なのでよく来てました。てか今日もその帰りだよ……。
それにしてもこの建物に入る店は長続きしないね。
そごうのからくり人形たちの怨念でも残ってる?

例のオタクビルのあるあるCityの営業時間は20時まででそろそろ店じまいなので、駅前から続く魚町銀天街という大きな商店街の方へ行ってみます。
全国各地に〇〇銀座があるように、博多雑餉隈の銀天町とか似たような名前の商店街を九州各地で見かけるけど、この魚町銀天街はその本家本元という由緒正しい商店街です。
なので日曜の夜8時だというのに結構にぎわっていました
福岡に「鳴門鯛焼本舗」という常に大行列で買えないぐらい人気のタイ焼き屋さんがあるので北九州ならワンチャン……と思い、銀天街内にある小倉店をのぞいてみたえど当地でも大行列
しょうたが鳴門鯛焼本舗のタイ焼きを食べれるのはいつになるんだろうね……。

北九州というと治安の悪さも相まってデトロイトみたいな衰退都市のイメージが世間では広まっているみたいだけど、悲惨なほど廃れているのは北九州のもう一つの中心だった黒崎で、小倉は普通に賑わってるんだよね。
風評被害です。
銀天街を抜けて井筒屋本店の方まで来ると、ライトアップされた小倉城や周辺のイルミネーションが見えてきました。
福岡城は城跡しか残ってないので城がある風景って憧れてしまいます。

イルミネーションエリアから外れた玄界灘側を見ても、24時間体制で稼働を続ける工場の鉄塔や都市高速を行き交う車のライトが天然のイルミネーションになっていて街全体が光り輝いていて本当にきれいでした。
皿倉山から見た北九州の夜景は新日本三大夜景に入ってるそうだけど、地上からでもその美しさは十分伝わってきます

しかし悲しいかな。こんなろまんちっくな場所にも関わらず、歩いているのは夜景を美しいと感じる感性を持ちあわせていないDQNのバカップルばかりなのであった……。
日本初のスーパー・丸和小倉店と丸和前ラーメン
そうこうしてるうちにお目当ての店が開く時間になってきました。
それがこちらだぜ!!

丸和前ラーメン

丸和前ラーメン
丸和前ラーメン


ここ丸和前ラーメンはスーパーマーケット「丸和」の前で営業していた屋台が発祥の店で、店舗を構えた現在も店内におでんの大鍋があったり屋台っぽい雰囲気が残っています。

定番メニューのラーメン (750円) を注文。3分と経たずにアツアツのラーメンがでてきました。
豚骨に慣れている九州人のしょうたでも卒倒しそうなほど強烈な豚骨臭に「あ、これ失敗か?」と一瞬後悔したものの、食べてみるとスープの方はコクがありながらも意外にもあっさりとした味で食べやすかったです。
強烈な豚骨臭も一口二口と食べ続けていくにつれて心地よさに変わっていきます。スープでコクを味わい、匂いで豚骨を味わうのが通……なのかな?
雰囲気も含めて最高のお店でした。また行きたいです。


せっかくなので「丸和前ラーメン」の店名の由来になったスーパーの丸和小倉店にも立ち寄ってみました。

この丸和小倉店、日本で初めて24時間営業を始めた店だったり、日本で最初にスーパーマーケットの協同組合を設立したスーパーだったり、そもそも日本初のスーパーがこの店だったり、なにげに日本初尽くしのすごい店だったりします。
丸和小倉店
丸和小倉店


数年前に丸和はゆめタウンの運営会社としてお馴染みのイズミに買収されたのですが、日本初のスーパーという歴史を尊重しているのか小倉店だけは店名は一応「ゆめマート小倉」に改めたものの今も丸和の看板を掲げたままで営業中。
何も知らないで来るとどこにでもある普通のスーパーなのに、ここがスーパーマーケット誕生の地と知ってから訪れると特別な店に思えてくるから不思議なものだね。

旦過市場、最後の雄姿
旦過市場
旦過市場
最後に北九州の台所として知られる旦過市場 (たんがいちば) を歩いてみました。
日本海と瀬戸内海の海の幸が集まっており、北九州が関門海峡に面した港町でもあることを感じさせてくれる空間です。

人通りが全くないのはシャッター街だからというわけではなく、鮮魚店や青果店が並ぶ文字通りの「市場」なので夜になって店が閉まっているだけ。朝になれば多くの店や人で賑わいます。
賑わいます。
賑わいすぎてゆっくり写真を撮ったり観察できないからわざわざこんな変な時間にやってきたんだよ。
早ければ来年 (平成34年) から解体工事が始まるので最後に記録しておこうと思って。

くじら
くじら
時代を感じる市場の中には"くじら"や"ふぐ"など地域性を感じる店が並びます。
あ、ここは下関じゃないので普通にフグ呼びです。


世間では成人式ぐらいしか印象のない北九州だけど、山陽新幹線開業後に急成長した福岡よりも大都市としての歴史が長いので実は美味しい老舗料理店なんかはこっちの方が多かったりします。
飲食店に限らず街のいたるところに歴史が積み重なっているので、街歩きが好きな人とかは無限に楽しめると思うっちゃね。

DQNの多さを除けば北九州は本当にいい町だから別府に行った帰りにでも立ち寄ってみてね