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疲れた平成人は動物に救いを求める

はじまり

この世は老いも若きも男も女も、心の寂しい人ばかり

現代社会はストレスばかりで嫌になります。
しょうたもストレスがたまると「なつみSTEP」の曲に合わせてジャンプ歩きをして気を紛らわせてます。電車ごっこするなつみみたいな感じで。
完全に異常者です。

さて、そんなすり減った現代人のココロのスキマをお埋めするのは動物でしょう。
繁華街を歩いていると猫カフェとかふくろうカフェとか目につくし、SNSでもどうぶつのほほえましい動画がよくバズってるし、みんな動物が大好きです。

ということで、今日は平成人の心の隙間を埋めた動物、平成アニマルの紹介です。

ん?なんか今日の導入文が喪黒さんぽいって?
藤子不二雄A先生の追悼 (?) で、つべで笑うせえるすまんの全話配信やってるのではまってるんだよ……。
A先生は変奇郎、怪物くん、魔太郎ぐらいしか知らなかったけど、これも面白いね!

って、なんか話がそれてます。
ごちゃごちゃ言ってても仕方ないから、行くよ。(対馬猫)

タマちゃん

2002年8月に一頭のアザラシが多摩川に迷い込みました
そのアザラシはFNNスーパーニュースの黒住祐子リポーターによってタマちゃんと名づけられます。

名前からよく誤解を受けていますが、タマちゃんが多摩川にいたのは最初の頃だけで、途中から荒川に引っ越しています。

タマちゃん出現と同じ2002年の秋にも宮城県の川にワモンアザラシが迷いこむなど日本の川にアザラシが現れることはときどきあるみたいですが、タマちゃんは首都東京で2年近くの長期にわたって姿を見せ続けたことから社会現象になりました。
住民票交付や大量の野次馬の出現は当然のこととして、当時の小泉総理が「私もちょっと見たいね。」と発言したり、「タマちゃん音頭」が大量生産 (同じタイトルの別の曲) されたり、流行語大賞までもらったり、扱いは比喩抜きでアイドルです。
キッズの間ではミニモニ。と松浦亜弥の次ぐらいに人気があったと思うっちゃね。

そういえばしょうたはタマちゃんブームの頃にキッズステーションで「少年アシベ」の再放送をやってるのを見た覚えあるんだけど、あれもタマちゃんブームに便乗したものだったのかな……?

コトラ

田舎のローカル線に行くと、観光客を呼び込むための動物の駅長がいたりします。
和歌山電鉄の故・たま駅長なんかは「たま電車」なんてのも走らせてもらって本当にすごい人気ですね。

そんな動物駅長の元祖がコトラです。
廃止になった岡山の鉱山鉄道の終点・吉ヶ原駅で、廃線跡で車両の展示や保存活動を行っていた保存会の会員の猫に駅長帽をかぶせたのがコトラの駅長猫としてのキャリアのはじまりだそうです。

動物駅長は駅長とは名ばかりで観光客に撫でられるだけのふれあい動物園の生き物扱いされるのが常ですが、コトラは駅で保存されている車両の展示運転中に接触事故防止ために集まった人たちを引き付けて車両から気をそらさせるなど、安全管理という「駅長」本来の仕事もきちんとこなしていました
車が車両に映り込むだけで罵声を上げ、撮影の邪魔になる木は私有地でも容赦なく切り倒すあの撮り鉄も猫ちゃんパワーには敵わなかったようです。

コトラは2017年に永眠し、現在は2代目のホトフが跡を継いでいます

わさお

毛むくじゃらでブサイクだけどもふもふしてかわいい犬―ブサかわ犬としてヒットしたのがわさお。

わさおは青森県鰺ヶ沢町の焼きイカ屋で飼われていた長毛種の秋田犬で、あまり知られていませんが本名はレオといいます。
ブサかわな外見はさることながら、荒涼とした日本海をバッグにたたずむ姿から漂う哀愁や旅情、飼い主の節子さんなどわさおを取り巻く人たちの人情味も相まって爆発的にヒットし、青森県内各地のイベントに呼ばれたり、地元の新聞社のウェブ版にコーナーが設けられたり、主演映画も撮られたりと大ブレイクを果たしました。

その後も鰺ヶ沢町内で写真展が開かれるなど町の人気者として活躍していたわさおでしたが、2017年の年末に飼い主の節子さんがなくなり、2019年に嫁の秋田犬のつばきも急死するなど不幸が相次いで元気をなくすようになり、老衰もあってコロナ禍真っ只中の2020年6月10日にひっそりと旅立っていきました。
今は向こうで節子さんやつばきと楽しく暮らしていることでしょう……。

しょうたは昔青森に行ったとき、鰺ヶ沢で途中下車してわさおに会うか五所川原で立佞武多の展示を見るか悩んで結局立佞武多を選んだことがあるんだけど、わさおの訃報を耳にしていつでも見れる立佞武多よりわさおを優先すればよかったと激しく後悔しました。
先述のコトラもたま駅長も、有名すぎて今回は紹介しないお父さんことカイくんもみんな鬼籍に入ってるし、アニマルは人間より寿命が短いから会える時に会っておくべきだよ。

パンくん

最近Youtubeの人気動画を芸人が鑑賞するだけの手抜き動物バラエティーが流行っていますね。
しょうたはあの手の番組のことを動物に癒しを求めようとする現代人の疲れた心の隙につけこむことで芸人の出演料とひな壇を組むためのお金だけで制作できる低予算番組をゴールデンタイムに流すことを可能にした悪魔の発明だと思うっちゃね。

そんなたかた社長のテレビショッピングの方が真面目に番組を作ろうとしているとさえ感じられる動物バラエティー番組ですが、テレビが元気だった平成にはこのジャンルにも面白い番組はありました
たとえば、「天才!志村動物園」

故・志村けんが司会兼園長として動物に触れあったりする番組です。
って、一昨年までやってたから説明不要か……。

この番組のかつての名物コーナーがチンパンジーのパンくんシリーズです。
志村けんとジェンカで遊んだり、アイーンをしたり、ブルドッグのジェームズと一緒におつかいに行ったりして番組の顔になっていました。

しかし、人間を襲ったことや繁殖期に入ったことから2012年以降パンくんとはガラス越しの対面しかできなくなりました。相手が仲良しだった志村けんであっても……。
それでも志村けんはパンくんの元へ足を運び、ガラス越しとはいえパンくんも志村けんの姿を見ると番組で覚えた芸を見せたりして喜んでいたそう。
二人の絆の強さや志村けんの人柄の良さがわかる素敵なエピソードですね。

ケーリャ

島根県にある水族館「AQUAS」にいる有名なシロイルカです。
とはいえケーリャという名前で知っている人はほとんどいないと思うっちゃね。
世間的にはソフトバンクのCMに出演した時の役名の「島根のおじさま」で通ってるから。

ケーリャくんはバブルリングという口からシャボン玉のような泡を吐き出す特技を持っていて見ると幸せになれると口コミで話題になっており、CM出演で一気に人気に火が付き全国区になった感じです。

口に入れた泡を吐き出せるようになったのは練習の成果らしいですが、シロイルカは頭がよく遊ぶこともあるようで、泡を作ることはケーリャくんがあそびの中で勝手に始めたことだそうです。
島根のおじさまブームから10年が経った現在、バブルリングの泡を首にまとったまま泳ぐ新技「ミラクルリング」を身につけるなどケーリャくんのパフォーマンスはさらに磨きがかかっているみたいです。

マリと子犬

渋谷で待ち合わせといえば緑色の電車かモヤイ像かハチ公像が定番ですね。

そんなハチ公像のモデルになったハチ公は昭和初期に死んだ飼い主を待ち続けて渋谷駅に10年間毎日通い続け、世界中の愛犬家から忠犬の鑑として愛されている犬です。
なんかリチャードギア主演でハリウッド映画にもなったよね……。

さて、そのハチ公が昭和を代表する忠犬なら、平成を代表する忠犬がマリです。

マリはどこにでもいる普通の柴犬でしたが、子犬を産んだその日の夜に発生した新潟中越地震で住んでいた山古志村が壊滅的な被害を受けて村ごと孤立
犬は避難用のヘリコプターに乗せてもらえなかったため、マリは飼い主と離れ離れになり、3匹の子犬とともに誰もいないかつて村だった場所に取り残されました
しかし、マリはめげずに3匹の子犬を守りながら16日に及ぶサバイバル生活に耐え、家の跡地で飼い主の帰りを待ち続けて一時帰宅した家族と無事再開しました。

ちゃんと飼い主との再会も叶ったので、後味の悪いハチ公の話と違ってこっちも気分よく聞ける話ですね。

映画が大ヒットしたことでこの話は有名になり、興行収入は山古志村の復興支援にも使われたと言います。

イイハナシダー

でも、マリも一緒にヘリに乗れていればこうやって離れ離れになることもなかったわけで、災害時のペットの避難についてもっと議論する必要があると思うっちゃね。
福島原発が爆発した後にも避難地域で取り残されたペットが餓死する悲劇が発生したり、この映画の公開後もそっち方面の改善は全然されてないみたいですが……。

……と最後は社会派で締めるしょうたでした。

H34-06-05 公開