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流行


35-09-14

平成少年たちの大和/YAMATO

先月末、佐賀のデパートの玉屋のレストランが閉店するというニュースを聞いて、玉屋つながりで系列の佐世保玉屋で提供されている隠れた佐世保名物の玉屋サンドがなくなると早とちりしてしまったしょうたは大慌てで佐世保に行ってきました。
もちろんサンドイッチはおいしかったんだけど、せっかく佐世保まで来てサンドイッチだけ食べてとんぼ帰りするのは勿体ないので佐世保バーガーも食べようとハンバーガー屋さんを探して商店街の中を彷徨ってみました。結局食べ物のことしか考えてないのかよっ!
それで佐世保の町中を歩いていて思ったけど、リリースからだいぶたつのに相変わらず「艦隊これくしょん」って人気だね。パネルとかポスターがいたるところに飾られているし、聖地巡礼に来たとおぼしき艦娘の缶バッジつけた提督 (艦これのオタク) がウロウロしているのも見かけました。
今では痛い言動がみんなに笑われているハゲが放送作家としてみんなを笑わせていた頃に書いた「永遠の0」が大ヒットしたこともあったし、海軍関係のコンテンツは定期的に流行りますね。泥臭くてダサいイメージのある陸軍と違ってかっこいいから?

さて、00年代半ばにも旧海軍関係の大きなブームがありました。
当時の世界最大にして戦艦時代の最後を飾った大日本海軍の戦艦

大和

です。
タカラ (当時) やディアゴスティーニなど各社がこぞって大和の模型を出したり、大和の新写真が発見されたニュースが新聞の一面を飾ったり、「ドラえもん」でラジコン海戦の話がリメイクされ「かみちゅ!」でも戦艦大和をテーマにした話が作られたりしてアニメにまで影響が及んだり、軍靴の幻聴を聞いた左翼がお気持ち表明したり、大和が社会現象になりました。

ブームの火付け役は平成17年4月に呉市にオープンした旧海軍の歴史を中心とした船舶技術を展示する博物館「大和ミュージアム」でした。
目玉となった1/10スケールの大和の模型や構想から開業までの10年近くに及んだ入念な準備が功を奏し、初年度には地方の博物館として異例の年間161万人もの来場者を集める人気観光地として注目を集めました。どれぐらいすごいのかわからないので参考までに晩年のスペースワールドと晩年のとしまえんの年間来場者数を記しますが、それぞれ164万人と112万人なので有名テーマパーク並~それ以上の人が来たことになります。
こうして世間で戦艦大和への関心が高まる中、タイミングよく戦艦大和を題材にした映画「男たちの大和/YAMATO」が公開され、平成17年の邦画興行収入1位・制作元の東映史上でも2位を記録する大ヒット作となり、博物館と映画の相乗効果で大和のブームはさらに加熱
その後も大和ブームに便乗して大和ミュージアムの隣に海自の潜水艦の展示施設「てつのくじら館」が建てられたり、関心が高まったおかげからなのか大和に関する研究が進んで新発見も相次いだこともあって、しばらくブームは続きました。

海軍は高度経済成長期も昔から何度かブームを起こしてはいたそうですが、今回のブームで特筆すべき点は若い世代にも受け入れられたことでしょう。
「男たちの大和/YAMATO」公開時にも東映上層部は観客のメイン層は50代と踏んでいたように、業界では戦争関係の映画に興味を持つのはオッサンというのが常識とされていたみたいですが、制作指揮をとった角川春樹は10代・20代にも見てもらいたい映画を目指し、実際に「男たちの大和/YAMATO」は泣ける映画として若者にも受け入れられました
話のつかみの部分で出てきた大和ブーム後の「永遠の0」が幅広い世代に受け入れられて大ヒットしたのも、この大和ブームが海軍関係のものへの間口を広げたおかげかもね。