もどる

おとこのこはいつブリーフをはかなくなったのか

~平成DSのパンツ事情~
平成文化の振り返りのためなのでやましい所なんてないんだけど、このページにはショタのパンツに関するお話があります。
そういうのが苦手な人は

「見なかったことにしよう!」

してください。

はじまり

つばさ:
うわ~ん。しょうたく~~~ん!!

しょうた:
バットを持ったジャイアンに追いかけ回されて命からがら家にたどり着いたときののび太くんみたいな登場の仕方だね。
何かあったの?

つばさ:
ひなたくんが、ズボンをズラしてきてお(↑)れ(↓)が11歳にもなってぶり~ふを穿いとることを笑ってくるっちゃ!
「今どきぶり~ふなんて小学生でも穿かんぞ。」って!!

しょうた:
ぶり~ふをバカにするなんて、なんてやつだ!
平成少年として、調子に乗った現代っ子には再教育を施さなければならない!

つばさ:
頼むよ。

ひなた:
よっ、しょうた!
ちょうどつばさと一緒か……。
ならつばさが面白いモノを隠してるから、見せてやるよ……。

つばさ:
ひゃん! (ズボンを脱がされる音。)

ひなた:
面白いだろ!
つばさって、おむつみたいな真っ白なぶりーふをはいてるんだぜ!
あ、白じゃなかったな。股間は少し黄いな。

しょうた:
なにそれ?ウケる!

つばさ:
しょ、しょうたくん?
再教育してくれるっち言っとったのに、なしてつばさくんと一緒に笑っとるん!?

しょうた:
普通のぶりーふを笑ったならしょうたも怒ったけど、白ブリ、しかも染み付きの白ブリは笑われて当然だよ。
今どきあんなの幼稚園児かお年寄り、それか変態か露出狂か不審者ぐらいしか履かないよ!

つばさ:
ガビガビガビーン!!
ひどいやひどいやしくしくしく。

ひなた:
あっ、しょうたのやつ泣かせた!
言っちゃろ言っちゃろ先生に言っちゃろ!

しょうた:
大元の原因はひなただろ!
とはいえ泣いてしまったからには仕方ない……。
ここは、平成のおとこのこのぱんつ事情について説明して、つばさには恥ずかしい恰好をしていることを自覚してもらって笑われることを受け入れてもらおう。

男は黙って白ぶりーふ☆

まずは前史として昭和末期のパンツ事情の話です。
信じられないことにこの時代の男性のパンツで一般的だったのは白ぶりーふでした。お子達は言うまでもなく大人までもが当たり前のように白ブリをはいてました。
色が白くて汚れがわかりやすいからすぐに洗えて衛生的だし、真っ白だと清潔感があるという理由で人気だったそうです。

週刊平凡が昭和57年に掲載した「芸能人の下着調査」というアンケート記事でも、近藤真彦といったアイドル、五木ひろしなどの演歌歌手、小堺さんのようなコメディアンに至るまで、回答した多くの芸能人が白ブリーフ派だと答えています。



はいサイコロトーク行きましょう。
~何が出るかな何が出るかな?~
パンツのはなし!
せ~の、パンばな~。

小:近藤さんどんなパンツ履いてんの?

近:白のぶりーふですね……。

小:へぇ。ぼくと一緒……。



なんてやり取りもあったのかな~。
……ねーよ。

そんな風に昭和の昔には人気のあった白ぶり~ふでしたが、昭和56年に起きた深川通り魔殺人事件という事件の犯人が白ブリーフにハイソックスという異様な姿で逮捕・連行される姿が全国のお茶の間に流れたことがきっかけで、白ぶりーふは恥ずかしいパンツという風潮が生まれてしまいました。
漫画やコントで描写される、不審者や変態が白ぶりーふを穿いているというステレオタイプもこの事件がきっかけで作られたようです。

さらに、昭和59年のイギリスのCMがきっかけで世界的なトランクスブームがヤング (死語) の間で起き、平成に入った頃には若者の間ではトランクスが普及して白ぶりーふは廃れたようです。
でも、そんな時代になってもお子達は「ある理由」のため、ぱんつの選択は相変わらず白ぶりーふ一択でした。

カラフルで、行こうよ!

お子達が平成に入っても白ぶりーふをはき続けざるを得なかった元凶……。
それは……当時の男児ズボンです。
平成初期の男の子のズボンはブリーフすらも少しはみ出るぐらい丈が短いセクハラみたいな形のものが一般的 (解説ページ) で、トランクスをはくとズボンからのはみ出し必須
また、当時の体操服ズボンは真っ白なものが多かったので、柄付きの下着をはくとスケスケで外から丸見え状態になってしまうので白のブリーフしか選択肢がなかったのです。

そのため、お子達もトランクスをはくようになったのは、まともな丈の長さの半ズボンが登場した平成5年頃からのようです。
ただ、当時はネット普及前で地域差が大きく、保守的な田舎、小学校制服のあった地域、管理教育が盛んで校則で白い下着を指定していた地域では、21世紀初頭まで白ぶりーふが一般的なところもあったとか……。
トランクスが普及していた地域でも、体操服からパンツが透けるのを防ぐため体育の授業がある日だけ白ぶりーふをはくといったことも行われていたようです。

白ぶりーふが廃れたこの時期にひっそりと登場した、トランクスと並ぶもう一つの平成を代表するおとこのこぱんつがカラーブリーフ
トランクスの登場によっておとこのこパンツ=白という固定観念が破壊され、いつの間にか白じゃないぶりーふもひっそりと広がっていきました。

こうして90年代後半に白ぶりーふは廃れ、代わりにトランクスとカラーブリーフが平成のおとこのこのぱんつのスタンダードになったのです。

わかった?しょうたたち新世紀小学生がはくべきぱんつはカラーブリーフかトランクスなんだ。
白ぶりーふなんてクラスで1~2人しかはいてなくて、着替えの時に笑われるもんでしょ?

新世紀小学生ってグリッドマンみたいな言い方すな。
まあ、お(↑)れ(↓)もこれからは白じゃないぶり~ふやトランクスに変えることにするよ……。

トランクス?オッサンで草。デカパンかよ。
あんなのお父さんがはくものだろ。

え!?しょうたくんはトランクスはおしゃれぱんつっち言っとったけど違うん!?

実はそうらしいんだ。トランクスかカラーブリーフってのは平成一桁生まれ世代に限った話で、それ以降のお子達のぱんつ事情はまた違うらしいよ……。
調べてきたからこっちの解説もするね。

あともうちょっとだけ続くんじゃ。

トランクスはもうダサい?

お子達もトランクスをはき始めた頃の平成4年に新たなパンツ「ボクサーパンツ」が誕生します。
最初は世界的なトランクスのブームに埋もれて注目されていなかったみたいだけど、日本ではユニクロがエアリズムで売り出したりしたことで2000年代半ばに知名度を上げました。
平成少年のしょうたも二回ほどはいたことがありますが、一回目は股がすさまじく痒くなってデリケアエムズを買いに行ったドラッグストアで商品名をど忘れして「ち●このかゆみを抑える薬ください。」と店員さんに聞いてとても恥ずかしい思いをしたし、二回目も股がかゆくなって夜眠れなかったから大っ嫌いです!ショタコン的にも萌えないし!
……でも世の中は不思議なもので、ブリーフとトランクスの悪いとこどりみたいなどうしようもないパンツなのに瞬く間に普及してカラーブリーフを駆逐してしまいました。

今回の文章を書くにあたってダイエー (イオンとは呼ばない。) やサンリブの男児下着売り場をわざわざ覗きに行ったけど、置いてあるブリーフは白や黒の単色と幼児用の車かなんかの絵が描いてあるやつだけで、しょうたがはいていたようなボーダーとか縁取りとかの「無難な柄物」のブリーフはなし!
年を取って思考が凝り固まって若い頃の習慣を変えられず白ぶりーふを卒業できない爺、あるいは弟が白ぶり~ふに羞恥心を抱く様子に密かに欲情するショタコンの変態兄姉が買い与えるのか、皮肉なことにカラーブリーフによって絶滅寸前に追いやられた白ぶりーふはひっそりと、でもしぶとく生き残っています!

ボクサーパンツによってカラーブリーフは焼き尽くされてしまったわけですが、快進撃はまだ止まりません

我々20世紀産平成生まれには信じがたいことですが、平成末期あたりからのお子達の間では、おしゃれボーイの象徴アイテムのトランクスに対してもダサいというイメージが広がっているらしいのです。
最近のお子達の父親世代 (=昭和末期~平成初期生まれ) の間ではトランクスが圧倒的に人気なので、オッサンの象徴になってしまい避けられているようです。
あとしょうたは「おそ松さん」のデカパンがトランクス一枚でうろついてイメージを損ねているのも関係してるのかな~とも思ってみたり……。

事実、例のダイエー (だからイオンとは呼ばない。) やサンリブの男児下着売り場にもトランクスはブリーフよりわずかに多い程度しか置いていませんでした。
大手ぱんつメーカーのグンゼが平成32年に発表したお子達のパンツに関する調査では、小学生はもちろん中学生でもブリーフ派よりトランクス派が少ない (どちらも20%程度でどんぐりの背比べではある。) という衝撃的な事実が明かされています。
そんなブリーフどころかトランクスもやめた現代のお子達が代わりにはくものは……当然ボクサー。

今のお子達はほぼ全員ボクサーをはいているようです。

去年 (平成33年) あたりから大人サイズのカラーブリーフは通販でしか買えなくなってしょうた11歳のサーバーの管理をしている中野陽斗さんは困っているそうですが、今のお子達が成長したらトランクスもブリーフと同じ道をたどって消えていくのかなと心配になります。実際一昨年あたりからユニクロのトランクスもバリエーションが減った気がするし、トランクスがカラーブリーフと同じ道をたどる日はそう遠くないのかもしれません。
今のうちにユニクロのトランクスを買い込んでおいたら、トランクスが絶滅状態になった下着ディストピアな近未来のヤフオクに出品して大儲けできるかもよ!?

……というわけで、平成の31年間でおとこのこのパンツのスタンダードは

  • 白ぶりーふ (平成初期)
  • トランクス・カラーブリーフ (平成前期)
  • トランクス・ボクサー (平成後期)
  • ボクサー (平成末期)

という風にうつり変わっていったんだ。

しょうたは、平成に生まれ、平成とともに消えて行ったトランクス。そしてあまり振り返られることはないけど、カラーブリーフ。
この二つが平成の男の子ぱんつの代表
だと思うっちゃね。

でも、トランクスも普通のブリーフももう古いなんて……。
お(↑)れ(↓)もボクサーをはいた方がええん?

つばさも平成少年なんだからひなたみたいな最近のガキの言うことは気にしないで、トランクスかふつうのぶりーふをはいていいと思うよ。

それもそうやね。
誰がなんて言おうが、どんなパンツを履くかは自由だし!
……なら白ぶり~ふでもよくない?

まあどうしてもって言うんならそれでもいいんじゃない?
面白いから笑うけどね!

え~それはやだよぉ。

(なんか話が最初に戻っている気がするけど、本人は満足げだしいいか。)

おしまい

参考文献
  • 白ブリーフ人気を崩壊させた有名事件 悲哀の男性下着ヒストリー
  • ショタとパンツ
  • 男性「トランクス」はいつからダサいと思われるようになったのか? いたって真面目に考える
  • きごこち+

  • スッペシャルサンクス
  • 柏餅なぎたさん (「名前入りブリーフメーカー」の画像をお借りしました。)
  • サンリブ・イオン九州 (男児下着売り場を徘徊させていただきました。)

  • H34-12-19 公開 H35-12-29 一部修正