平成の健康ブームを振り返る

はじまり

ひなた:
どうしよう。
母さんが健康にいいからってマコモ風呂をやり始めたんだ。
あんなの入りたくないよ。
どうやったらやめさせられるかな?

しょうた:
やめさせなくても、追い炊きが詰まって風呂釜が爆発して解決するんじゃないの?
……って、爆発するのは平成初頭のバランス風呂の話だから、令和の世では起こらない話だね……。
うっかりうっかり!

ひなた:
バランス風呂か何か知らないけど、よくわからない平成の話はしないで、真面目に考えてくれよ!
俺が臭くなったら、しょうたも悪臭に苦しむんだぞ!

しょうた:
それは嫌だ。
平成に流行った健康法を紹介するから、マコモ風呂の代わりにそれをお母さんにすすめてあげてよ。

飲尿健康法

その名の通り、自分のおしっこを飲むという、健康どころか体が悪くなりそうな健康法
有名人ではさくらももこなどが実践していた。

平成2年に出版された「奇跡が起きる尿療法」という本がきっかけで90年代前半にブームになった。
飲尿はインドでも健康のために行われていたので、当時のサブカル界のインドブームあたりと結びついて広まったのかもしれない。

もちろん医学的な効果は証明されていない。
汚い。
じょぼじょぼ。

アミノ酸ブーム

平成14年にキリンが発売したアミノサプリが、疲労軽減や代謝向上効果があるとして大ヒット
翌年には大塚製薬のアミノバリューやCMで有名なサントリーの燃焼系アミノ式など他社からもアミノ酸飲料が発売され、アミノ酸飲料が流行した
流行は食品業界にも波及してアミノ酸そのものがブームになり、黒酢もアミノ酸を含んでいる調味料として人気に。
今でもスーパーでお馴染みのミツカンの純玄米黒酢もブーム真っただ中の平成16年の発売で、全盛期にはミツカンの売上の1/3以上が黒酢だったという。
食品だけでなく衣類業界にもブームは広がり、肌に優しいとアミノ酸付着ジーンズも発売された。

しかし、加熱しすぎた反動なのかブームは長くは続かず、アミノ式は数年で終売。黒酢の国内生産量も6割近くにまで落ち込んでしまった。
悲しい出来事でしたね。

マイナスイオンブーム

「あるある大事典」などでの紹介がきっかけで20世紀末からマイナスイオンのブームが到来。
平成14年には新語・流行語大賞トップテンにも選出された。
あらゆる家電や健康グッズには何かとマイナスイオン効果が搭載され、滝や峡谷など自然環境系の観光スポットもマイナスイオンが溢れていることをアピールするようになった。

しかし、マイナスイオンには空気清浄効果はあるものの、直接的な人体への健康効果は実証されていないため、平成15年の景品表示法改正で規制が入るようになりブームは沈静化。
空気清浄機やドライヤー、エアコンなど、実際に効果の見込めるもの以外では見なくなり、近年はそれらもnano-eなど会社ごとの技術で上書きされて目にする機会は減っている。
自然環境系に関しても、平成18年ころよりスピリチュアルな胡散臭さを増したワードの「パワースポット」にとって代わられて耳にすることは少なくなった。

豆乳ブーム

平成前半までのイチゴは酸っぱくてそのまま食べられる果物ではなかった
同じように、今でこそ豆乳は当たり前の飲み物の一つだが、平成前半までは豆臭くて青汁やウコンのような扱いのゲテモノドリンクとして敬遠されていた
豆乳業界も受け入れられるように頑張っていて、21世紀に入ったころには今と同じような風味に進化。
平成14年にスタバが発売したソイラテの人気が出たことがきっかけで、豆乳がおいしくなったことも知られると、世間での悪いイメージもなくなっていった。

そんな折に健康番組でイソフラボンが注目されたことから、イソフラボンを沢山含む飲み物として豆乳が大ヒット
ブーム自体は数年で終息したものの、豆乳は牛乳と並ぶ朝食のお供の地位を築くことには成功し、現代では豆乳は当たり前の飲み物として受け入れられている。

ビリーズブートキャンプ

日本では平成17年に発売されたアメリカの新兵訓練とキックボクシングを融合させたエクササイズのDVDビリーズブートキャンプ
家で手軽に有酸素運動をできる手軽さやアゲアゲな掛け声のビリー隊長のキャラクターもあって大ブレイクした。

ちなみにビリー隊長は軍のフィットネスインストラクターであって、実は軍務経験はないらしい。
日本での大ヒットを受けて一時期は日本に移住していたが、現在はアメリカに戻って俳優のインストラクターをしているとのこと。

おしまい

ひなた:
豆乳やビリーは良さそうだけど、マコモ風呂みたいな不潔で科学的な立証もない健康法って平成の頃にもあったんだね……。

しょうた:
うん。
文明が進歩しようが人間の本質は変わらないのさ。

公開 H37-12-08